そんなエビなら、入れないで

(これは、2012/09/22に、現在は閉鎖済みのブログに書いた文章です。今でも状況は変わっておらず、私の気持ちも同じなので、転記しました。 )

最近、といってもここ数年のことだろうか、
チャーハンやグラタン、焼きそばなどの、
コンビニのお弁当に入っているエビの数が、以前よりも増えている。
また、「エビたっぷり」などと商品名にうたわれた惣菜を、よく見かける。

価格は、他の商品と比べ、それほど高いわけではない。
昔は、食材のなかではエビは高級品だった。
エビ入り商品も、エビ無しに比べ、割高で特別感があった。
その記憶があるので、このごろはエビが安く供給されるようになったんだなぁ、と思う。

私はエビが好きで、値段の割高感が無い気安さもあって、
期待して買って食べるのだが、
いつも期待はずれ、美味しくなくてがっかりする。

いや、美味しくないというだけではない。
食べ終わっても、「エビを食べた気がしない」のだ。

子供の頃に、ご馳走だったエビは、
茶碗蒸しや、折り詰めなどによく入っていた。
加熱されてすこしささくれ立った鮮やかな赤い縞と、真っ白い肉。
食感は「がしっ」「みしっ」という感じで、
味は甘くて、噛むとエビ特有の風味が口いっぱいに広がるものだった。

それが、昨今のエビは、違う。

まず、透明だ。
どんなに加熱しても、透明なのだ。
これがまず、不気味だ。

表面はなめらかで、
噛むと、硬いぐにっとした感触。
なんだか、合成樹脂でも噛んでいるようだ。
味は・・・エビの味がしない。

そんなだから、
「エビ入り」「エビたっぷり」を買ったはずなのに、
食後には、「なんだか、たいしたものじゃなかったなぁ」という、
期待はずれ感が残り、
無駄遣いしたという後悔をする。

同じことが、「冷凍ムキエビ」にも言える。
家で、それを使って調理していて、
やはり透明だし、変な食感で、味もしない、と感じる。

どうも、そんな「最近のエビ」が気になって、
「エビ」「加熱しても透明」などのキーワードで、検索してみた。

そして分かったことは、
エビが「保水剤」というもので加工処理されているということだった。
そのため、加熱しても透明なままで、
(不自然に強調された)プリプリ感があるのだそうだ。

さらに、この加工をされたエビは、
鮮度が落ちても、
色が変わらず、
透明なままなのだそうだ。

そんなことを食べ物に施してもいいのだろうか。
それは、間違いではないか。

このことを知ってからは、
コンビニのお弁当やお惣菜に、この手のエビが入っていると、
それだけで、買えなくなってしまった。
いや、買って、エビを食べずに残せばいいのだろうが、
そのエビにもお金を払うのだと思うと、買うのがイヤになる。

「そんなエビなら、入れないで」と思う。

あの、記憶の中にある美味しい「エビ味」が食べたければ、
めんどうくさくても、
生の殻つきのエビを、
それも、近海で水揚げされて刺身用に売られているものを、
買ってきて、作るしかない。

手間がかかる。
そういう意味で、
いまでもエビは、ご馳走だということなんだろうな。