リカちゃん用 浴衣1と2 その1

リカちゃんの浴衣を縫いました。

作業記録の画像があるので、記事にしてお伝えします。
長いので、複数回に分けています。

作業中に間違えたところが、沢山あります。
その都度やり直しをして、完成させました。
そのお話も、載せていきます。

浴衣は2つ同時に作りました。
同じ生地から、柄の取り方を変えて2着分の裁断をしています。
「1」「2」と呼ぶことにします。

型紙は、この本のものを使いました。

(株式会社日本ヴォーグ社 リカちゃんのおしゃれ着物)

全行程を手縫いで作っています。
手順は、基本的には本に従っていますが、自分の作りやすさを優先して違うことをしている箇所もあります。

この浴衣に先立って、帯を作っています。

帯を作ったときのお話はこちら
リカちゃん用 浴衣の帯1と2 その1

縫い糸は、この帯と同じく、クロバーの「カタン糸 白 50」を使いました。

手持ちの糸では、ほかに手縫い糸や、絹やポリエステルのミシン糸など何種類かあるのですが、生地と同じ白い木綿であることと、糸の細さ硬さが小さい針穴に通しやすいことから、これにしました。

針も同じく、京都みすや忠兵衛の、きぬ針(溝穴)を使っています。生地との摩擦が少なくて、縫いやすいです。

上の画像で手前に写っているのは、いつも使っている糸切りばさみと、指ぬきです。

布地は、帯と同じく、100円ショップで売っていた、てぬぐいを使いました。
帯用にいいなと思ったものを先に見つけて、同じ売り場に色柄が合いそうなものがあったので、一緒に買いました。

この手ぬぐいには糊がついていて、布目に歪みもあるので、木綿の生地を使うときと同じように、地直しをします。

帯用の布と一緒に、水通しをしました。

アイロンをかけた布に、型紙をあてて、裁ち線を写していきます。

型紙も、帯を作ったときに、一緒に用意してありました。

型紙には、帯と同じく、和紙を使いました。
ハトロン紙に比べるとあまり透けないので、生地の柄がわかりにくくなりますが、手や布によくなじみ、その点で使いやすいです。

いざ、布に型紙をあてて描き写そうとして、ここで迷いました。
着物は、柄の配置で、だいぶ印象が変わります。
身頃、袖、そして衿も、考えながら裁断する位置を決めないと、仕上がりの柄の出方がおかしいものになる心配があります。

う~ん、私には柄合わせの知識はありません。センスもありません。
そのため、ちょっとだけ、この本で勉強しました。

(株式会社ナツメ社 DVD付き いちばんやさしい和裁の基本)

柄合わせについて、本文でも、DVDの動画でも解説されています。

本文では、図を使って、良い柄合わせとNG例、また、柄別のポイントや、合わせ方の違いによる効果が分かりやすく解説されています。
動画では、実際の反物を、柄の出方を考えて、いろいろと試して位置を決めながら、裁断していく様子がよく分かります。

とても気を遣う作業で、大変そうに感じながら見ていたら、ふと、自分の着物たちを思い出しました。

子供の時分から、大きな柄のあるきれいな着物を何着か持ちました。
どの着物も大好きで、嬉しい気持ちで袖を通してきました。
でも、仕立ててくれたひとたちのことは、これまであまり考えたことがありませんでした。

どんな方々かは今では知ることもできませんが、どなたもきっと、この動画のように、その時々の私の寸法に合わせて、あれこれと試して、美しい仕上がりになるように柄合わせをしてくれていたのだろうと、このとき初めて思いました。
そうしたら、画面に向かって、自然に頭を下げながら「ありがとうございます」とつぶやいていました。
仕事とはいえ、いや仕事ならばなお、大変なことだろうと感じたのです。

自分の楽しみでお人形の着物を作るために見た動画でしたが、そんなことがありました。

本ではイラストで、DVDの動画では布を動かしながら、それぞれ柄合わせで気を付けるべきことが、ポイントを押さえるように解説されています。

生地と型紙を前に、何も知らずに始めるとはいえ、あまりおかしな仕上がりになるのも嫌だと、不安でおろおろしていたのですが、本を読んで、DVDを見て、また本を読んで、なんとなく分かった気になれました。
こうして両方あることで、双方の説明がより伝わってきたと感じ、有難いと思いました。

そうはいっても、自信を持ったわけではありません。
「最初からうまくやろうなんて思わなければいいのさ、なんでも3回目くらいで分かってくるものだもの(自分の場合は)。1、2着目は、形になれば上出来だよ」と自分に言い聞かせます。

次回に続きます。

この画像は、浴衣1が完成したときに、嬉しくて記念に撮影しました。

上で書いたとおり、最初から不安でおろおろしたり、途中で何度も間違えて落ち込んだりもしましたが、ちゃんと形にすることができました。